DSM

2007
12.19

1.はじめに
DSMとは、アメリカ精神医学会が作成した精神疾患の診断基準の1つである。英語名は、Diagnostic and Statical Manual of Mental Disorders (精神疾患の診断・統計マニュアル)となっている。最新版は、DSM-IV-TRである。

2.歴史
1952年に初版 (DSM-I) が出されて以降、随時改定され、現在は第四版用修正版(DSM-IV-TR) となっている。なお、2010年以降に(DSM-V)の発表が予定されている。
* 1952年、DSM-I – 初版
* 1968年、DSM-II
* 1980年、DSM-III
* 1986年、DSM-III-R – DSM-III の改訂
* 1994年、DSM-IV
* 2000年、DSM-IV-TR(’Text Revision’ of the DSM-IV)
* 2011年、DSM-V – 出版予定

3.特徴
DSMは、精神医学の方面で革命的なアプローチをもたらしたものとして知られている。特に病因論などに余り踏み込まずに精神症状のみを論理的推察と統計学的要素を取り入れ分類した事で、診断基準が明確になっている。また、これまでは医師の主観的な傾向が強かった精神疾患の判断に対して、客観的な判断を下せる様になり、医療スタッフ側の意見や伎倆の差異による診断の違いが最小限となっている点が特徴となっている。

4.注意
「DSM-IVは、臨床的、教育的、研究的状況で使用されるよう作成された精神疾患の分類である。診断カテゴリー、基準、解説の記述は、診断に関する適切な臨床研修と経験を持つ人によって使用されることを想定している。重要な事は、研修を受けていない人にDSM-IVが機械的に用いられてはならない事である。DSM-IVに取り入れられた各診断基準は指針として用いられるが、それは臨床的判断によって生かされるものであり、料理の本のように使われるものではない。」と書かれており、非専門家による使用を禁じている。

5.診断
DSMにおいては、各疾患においてA・B・Cの診断基準が示され、「A~C全てが当てはまる場合」その精神疾患であると診断される。A・Bは具体的な病像が列挙されるが、C基準は「その症状が原因で職業・学業・家庭生活に支障を来している」となっている。C基準が無ければ、誰もがDSMに挙げられたいずれかの精神疾患の基準を満たしてしまうからである。

6.多軸診断
DSM-IVは多軸診断システムを用いており、以下の5つの面から生物・心理・社会的に評定を行う診断方法である。第1軸-臨床疾患・臨床的関与の対象となることのある他の状態(一般身体疾患に影響を与えている心理的要因、投薬誘発性障害、対人関係の問題など)、第2軸-人格障害・精神遅滞、第3軸-一般身体疾患、第4軸-心理社会的および環境的問題、第5軸-機能の全体的評定。第3軸までが正式の診断的評価を構成し、第4軸および5軸は特殊な臨床的および研究的状況で使用され治療計画や予後予測に有用とされる。つまり、精神障害の診断と分類に関わるのは第1軸と第2軸のみであり、その内容を考えるとカテゴリカルモデルに基づく分類法であると考えられる。

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